2006年11月29日

アメリカ中間選挙を考える

坂本弁護士とその家族が行方不明になった事件をきっかけにオウム真理教問題を追い求め、一躍ときの人になったジャーナリスト江川紹子さんのコラム。

ぜひ、リンク先を読んで見てください。私がアメリカ人の行動に対して感じていることを的確に代弁してくれています。

要点は次の2点に集約されています。(””は引用)

”裏を返せば、アメリカ国内の経済への影響が少なければ、イラクで何万人が死んでいようと、国際的な批判が高まろうと、さしたる問題にはならなかっただろう。” ”アメリカの大統領は、その判断によって様々な国の人々の生活や命が破壊されたりするなどの、強大な影響力を持つ。けれども、その政治権力(大統領や議会)は、実は基本的には極めて内向きなアメリカ国民の感情によって選ばれる。だから、日本の私たちの命より、アメリカ国内のガソリンの値段の方が、アメリカの政権にとっては大事、という事態もありうる。”

”それにしても”うんざり感”が、(どうせ何をやっても……)という無力感に結びつくのではなく、(だったら政治を変えよう)という前向きな行動に結びつくアメリカには、やはり草の根レベルの民主主義というものが息づいている。”

特に後者は私が多くの日本人に向かって訴えたいことです。民主政治である限り、国民は政治を変えることができるのです。これを忘れてはいけません。無駄と思う前に、目の前のものから最善の選択を行うことが重要です。投票しないということは、権利の放棄であり、政治についての不平不満をいう権利は与えられません。

2006年11月20日

学長の給与

Highest paid college presidents (CNN, 11/20/06)

アメリカの大学(およびカレッジ)の学長の給与についての記事。

過去にニューヨークウォール街で働く人たちの給与や企業トップの給与についての記事を紹介しましたが、今度は教育機関の長である学長の給与についてです。

日本は国立大で最も給与の高い東大の総長の給与が2483万円です(参照)。

記事によると、アメリカでは公立と私立合わせた853の機関のうち、$500,000(約6千万円)以上もらっている人が112人(昨年は73人)で、そのうち42人(同23人)が公立大学の学長です。ミリオネラ(約1億2千万円以上)も5人(全て私大)ほどいて、こちらの数は昨年と変わりなしとのこと。リンク先をみてもらうとわかりますが、ハーバード大などのアイビーリーグの大学はトップ10には出てきません。自分になじみのある大学でランクインしていて驚いたのは、Drexel universityですかね?かなりやり手の学長だと聞いてます。

しかし、いやはや凄いですね。でもこれは日本と比べればであって、企業トップの給与から見ると桁違いに少ないです(もちろん日本の企業トップも少ないですけど)。学長になるような人は、副収入も含めれば実際はもっともらっているのだと思いますけど。まあ、感覚的には、国内から見る日本の学長とそれほど変わらないのかもしれません。つまりはその労働の対価としては、それほど高い給与ではないということです。逆に言えば、絶対値で見た場合、それだけ日米間の賃金格差は開いているということなのでしょう。

かなり話はそれますが^^;、アメリカ型資本主義の最大の特徴は、私から言わせると"資産が資産を生み出す"ということです。正確には"生み出すことが可能"ということですね。本来なら日本人は世界一の個人資産を誇るので、このルールに則ってきちんと活用すれば、どんどん資産は膨れていくはずなのですが、実際にはそうはなっていません。理由は簡単ではありませんが、本来なら得るべき利益獲得の機会を失っているからだと思います。それと対照的なのがアメリカです。

これは素人の私が考えることであって、専門家からすれば異論もあるのでしょう。しかし、この原因を突き止めることは、日本の将来を考える上で避けては通れない問題だと思うのです。これは何も日本だけの問題ではありません。中国を始めとしたアジア各国の問題でもあります。現状は世界がアメリカ(ドル)を支えるために、必要以上に余分に働いているといってもいいのかもしれません。

私を含めて日本の国民はこうした現状についてもっと知るべきでしょうし、政府もきちんと説明責任を果たすべきです。そしてその上で、政治で議論されるべき問題でもあります。一般国民が全てを理解することは到底無理な話ですが、せめて国策としてどのように考え、そして問題点がどこにあるのかはいつでも参照できるようにするべきなのではないでしょうか?

今のままでは、日本の没落していく姿しか私の目には映りません。確かにこのままいっても、優れた一部の日本人は裕福になれるでしょう。しかし、大多数の人はアメリカの低所得層並の生活を強いられる可能性が高いように思えてなりません。自分が悲観的過ぎるのかもわかりませんが、総人口減も含め早急に対応策を立てないと手遅れになるように感じるのですが、皆さんの考えはどうでしょうか?

2006年11月17日

植草氏のレポート

手鏡で女子高生のスカートを覗いたり、電車で痴漢をしたりと(いずれも本人は否定してますが)、世間をお騒がせしている経済評論家 植草秀一氏のコラムをご紹介。

私が日本にいたときにはよくテレビのゲストコメンテーターとして登場してましたが、その頃から経済に関するコメントは的確で素晴らしい分析力でした。一連の彼の犯罪行為はともかくとして、アナリストとしての能力は高いものと思います。

今回のコラムでは、日本経済の先行きに対して警鐘を鳴らしています。興味のある方は是非読んでみてください。

しかし、日本の経済政策は失敗の連続ですね。アメリカに来て、つくづくそれを感じます。ようやく民間主導で景気が回復してきましたが、内需拡大が起きる前にまた緊縮財政みたいです。何度こうした失敗を繰り返せばよいんでしょう。。。

「いい加減にせいよ!」と声を大にしていいたいですね。

日本の財政を健全化したい気持ちはよくわかるのですが、どうしてもう少し待てないんでしょうかねぇ?日本の官僚には長期的視野を持った人はいないのでしょうか?これだけ世界経済が成長している中、なぜ日本国民はその恩恵に授かれないのか?国民はもっと政府を追求すべきです。本来、日本はアメリカ同様、こうした世界経済成長に対する恩恵を享受すべき立場にあるのですから。

日本国民ももっと政治に関心を持って、国を動かすべきだと思います。こんなこと言っても無力感だけが増す国なんですよね、日本というところは。。。。

2006年11月16日

近況バトン

フィリーブロガー仲間のkyさんからバトンをいただきましたので、早速いってみましょう!


◆最近いいことありました?

カメ拾った」こと、かな?

というのは冗談で、
職場でしばらく口利いてなかった人と仲直りできた」こと。
この歳になってレベルの低い喧嘩をしてしまった^^;もっと心を広く持たなければ。。。と反省。

あとは念願の「グランドサークルをドライブできた」こと。


◆逆に嫌なことありました?

嫌なことは思いつかないんですけど、がっくりすることはいくつかありました。

クルマのリアガラスが外れた(古いオープンカーなので仕方ないけど、どうすべ?って感じ)
日本においてあるクルマの車検が切れていた(忘れていただけなんですけど、Yokoが大変だったみたい^^;)
飲みたかった銘柄のビールが売り切れていた(サウスカロライナの地ビールなんですけど、いつも売り切れていてなかなか買えません)
話したい言葉が思い浮かばず自己嫌悪(これはほぼ毎日です^^;)


◆マイブームは?

う~ん、今は特にないかも。
強いていえば、キューカンバで"きゅうちゃん"作ることかなぁ?
簡単に作れるのでオススメですよ♪


◆最近購入したものは?

デジカメ用の充電池
この世界ちょっと目を離しているスキにどんどん容量がアップしてるのでビックリです。
本当はPVR(日本のHDレコーダー)を買いたいんですけど、どれにするかで悩んでます


◆最近食べた美味しいものは?

自分で作った味噌汁。やっぱり仙台味噌が一番!
アメリカのものでは、缶詰に入った各種ナッツかな?ハニーローストやスパニッシュナッツが安くて美味しいのでお勧めです♪


◆最近目論でいることは?

やっぱり旅行ですかね?
近場ではフロリダキーウェスト(これで近場といえるのか?は別として)、バケーションが取れたら南米ヨーロッパに行きたいです。


◆今期のテレビで面白そうな番組は?

ドラマはほとんど見ていないので、よくわかりません(^^;
また「24」が始まるので、それが楽しみといえば楽しみです。


◆スケジュール。予定。

来週末のブラックフライデーに買い物に行くこと。なんとサウスカロライナ州は金土日とタックスフリーらしい!


◆今の目標

あー、早く論文まとめないと^^;
あとはやっぱり英会話の上達ですかね?


◆次に回す人

う~ん、誰にしましょう^^;

こちらはブロガー仲間がほとんどいないので、、、

夏天さん、emikoさん、himeさん、charlestonさん、よろしくお願いしますm(_ _)m

2006年11月12日

臓器売買

あまり詳しいことは知らないのですが、日本ではちょうど宇和島の病院での病気腎移植が問題になっているようなので、腎移植に関連した記事をご紹介。


パキスタンでは、貧困を理由に自分の腎臓を売る人が後を絶たないとのこと。ご存知のように腎臓は左右二つありますが、片方が正常に機能さえしていれば生命に異常はありません。そのため、昔から割と安易にお金目的で片方の腎臓を売る人が多いわけです。

こうした臓器は何もパキスタンに限ったことではなく、世界中いたるところで行われているといわれてます。昔は日本でも行われていたくらいですから。

この記事では、タイトルの"Pakistan's 'Kidney Basaar' Thrives"からわかるように、その相場がパキスタンでは極端に安いことを指摘しています。年間約2000例の取引があるといわれていますが、腎臓一つあたり$2,500、ときにはその半分以下で取引されているようです。レシピエント(臓器移植者)側が支払う金額も$6,000~$12,000で、中国では$70,000であることからも安いことがわかります。

アメリカでは法律で臓器を売ることは禁止されていますが、ドナー(臓器提供者)不足から$40,000程度の謝礼を認めてもよいのではないかと国際腎臓学会では提言しています。

パキスタンでは少なくとも20以上の移植専門診療所があり、患者の10%は外国人だと言われています。外国人の多くは中東からで、1~2%がヨーロッパからだそうです。

政府はこうした臓器売買をなくすために、腎臓移植のための法整備を行おうとしているようです。

この記事では。借金のため自身の腎臓を売っただけでは借金を返せず、その息子も父のために腎臓を売った親子の話が例として取り挙げられています。たとえ腎臓が一つあれば生命に異常がないとはいえ、その予備能力は極端に失われます。腎臓提供後は定期的な検査を含めた健康管理も必要です。この親子は術前のようには働けない、走れないなどの症状を訴えていますが、それだけ腎機能が落ちていることに他なりません。

(ここまでが記事の要約)

現在、腎移植が必要な患者の多くは、糖尿病による腎機能障害が原因です。糖尿病はきちんと血糖をコントロールすれば、治療可能(治癒ではありません)な病気です(<注>血糖をきちんとコントロールしても各種臓器障害の予後は正常に比べると悪いともいわれています)が、アメリカを始め世界中で患者の数は増え続けてますし、今後も当面は腎移植が必要な人は増えこそすれ、いなくならないことでしょう。臓器移植、特に生体移植はいろいろな難しい問題を抱えてますが、貧困を理由とした臓器売買も一つの大きな問題です。

わかってはいるのですが、こういったことからもまだまだ世界は発展途上なことがよくわかりますね。

ジャンケン世界一

じゃんけんの世界一を決める大会がカナダのオタワで開かれたそうです(ソースはコチラ)。 World RPS Society主催のじゃんけん王者決定戦は2002年から開かれているとのこと。優勝者は1万カナダドルもらえるそうです。世界一といっても、それほど多くの国から参加しているわけではないみたいですけど。

アメリカで暮らしているとほとんどじゃんけんをする機会がありません。日本だとちょっとした決めごとだとすぐに「ジャンケンで決めようか?」となりますが、こちらでは話し合いで決まることの方が圧倒的に多いような気がします。映画やドラマを見てても、コイントス(coin tossing/flipping:コインの裏表を予測して決める)で決めることはあっても(もちろん日常ではほとんど見ませんが)、ジャンケンが出てくることはまずありません。

ちなみにアメリカでは「じゃんけん」のことを、「Rock, Paper, Scissors(RPS)」といいます。日本語に直すと「グー、パー、チョキ」ですが、これはこのまま掛け声を表すことばでもあるので、「じゃん、けん、ぽん」と訳すのが正しいのかもしれません。ちなみにイギリスでは「Paper Scissors Stone」というそうです(Wikipedia)。また細かいことですが、アメリカも州によっては違うみたいです(例えば手を出すタイミングが123!ではなく、12!とか(記事参照))。 各国から来ている人たちと話をしていても、「じゃんけん」を知らない人はまずいませんが、その呼び方はさまざまです。ヨーロッパ人然りアジア人然り、どの文化でもほぼ似たようなゲームを持っているというのはとても興味深いことです。

それでは、このジャンケンの起源はどこにあるのでしょう?

ウィキペディアには、元来日本にあった拳遊び(三すくみ拳)に17世紀末に中国から伝わった数拳の要素が加わって、19世紀末になって今のジャンケンになったとあります。また「Rock, Paper, Scissors」については、本家Wikipediaにはその歴史は書いてないのですが、今回の記事によれば「その起源ははっきりしないが、18世紀半ばにイギリスには存在し、1918年にカナダに伝わった」とあります。Multicalturalpedia(多文化理解辞典)じゃんけんの項目を見ていただくとわかりますが、その起源はよくわかっていないというのが本当のようです。

出す手の形が、国や地域によっては3つだけではなく、4つあるところもあるようで面白いですね。

じゃんけんは、理論上はグー、チョキ、パーはいずれも1/3ずつの確率で勝ち負けあいこになりますが、実際にはそうなりません。明らかにチョキを出す確率は低いというのが定説です。確か数年前に論文か新聞の記事でみたように思います(ソースがハッキリしなくてすみません)。最近は神経科学の領域でも、RPSを使った意思決定の神経機構を調べる実験が行われています。これまではYesかNoの2者択一式のパラダイムを使ったものが多かったのですが、これからはこうした複数の選択肢から選択が行われる場合のメカニズムについて議論されることが増えていくでしょう。またジャンケンのように相手の手を読んで、自分の行動を決めるようなケースで、その(意思)決定にどのようなファクターがどういった形で関わっているか?を調べることは、他のさまざまなケースにおける人間の行動を予測する上でも役に立つと考えられます。

「じゃんけん」ひとつとっても、文化比較学、統計数学、神経科学など、さまざまな分野で研究対象となるんですから、世の中本当にディープですな(笑)

2006年11月7日

中間選挙続報

予想通り下院は民主党が過半数をとった模様。まだ微妙だけど、上院に関しては共和党が過半数を維持しそうな感じ。下院は予想以上に民主党が強かったです。アメリカ国民の良心も多少は残っていたようでよかったです。でもこれだけ逆風が吹いてても、共和党はそれなりに議席を維持するのですから、たいしたもんといえばたいしたもんですかね?

CNNとNYTを中心に速報を見てますが、ほぼ同時に日本のニュースも更新されていくのが面白いというか哀しいというか。。。複雑な気持ち。

上院でいずれが勝つにせよ、ブッシュ政権はまだ続くわけですから、極端に政策が変わることはないと思いますけど、イラク戦争失政の逆風はますます強くなり、あまりにも強引なことが出来なくなるのは間違いないでしょう。

ただこの結果が経済問題に波及すると2年後の大統領選は逆に共和党に風がふくかもしれません。民主党は勝っても慎重に動く必要がありそうです。

ちなみに職場の人々は選挙日でも特段変わりなし。普通に仕事していました。まあ、そんなもんなんでしょうね。

あ、うちのボスはアンチブッシュなので、多分今回の結果を喜んでいるに違いありません。イラク戦争による研究費削減は、学者の間ではかなりブーイングでしたから。

明日はマーケットがどのように反応するのかも楽しみです。今日はアメリカの選挙速報を直に感じられた1日でした。

(11/9追記)
上院も民主が過半数とりそうです。ブッシュ大統領も負けを認め、まずはラムズフェルド国防長官を更迭(表向きは辞任)。議会を民主党が抑えたことで、外交的には安定することを期待します。

2006年11月6日

中間選挙の行方

明日はアメリカ中間選挙の投票日です。ここのところアメリカでは報道番組は選挙一色ですが、私日本人にはその仕組みもよくわかりませんし、選挙権がないせいか今ひとつピンと来ません。

そこでちょいと簡単にアメリカの選挙について調べてみました。

アメリカの国政選挙は4年に1回行われる大統領選挙と2年ごとに行われる連邦議会議員選挙があります。中間選挙とはこの2年ごとに行われる連邦議会の選挙のうち、大統領選挙と重ならない選挙をさします。つまりは4年に1回行われることになりますね。

連邦議会ですが、日本と同じように上院と下院からなる2院制です。上院は選挙のたびに1/3の議席が、下院は全議席が改選されます。つまり今回の中間選挙でも、上院の1/3の議席と下院全議席が改選されるわけです。それとは別に今回は38州の知事選も同時に行われます。

アメリカでは完全な2大政党政治になっていて、共和党(Republican)と民主党(Democrat)に分かれます。現在の勢力は以下のようになっています(Wikiより抜粋)。

上院 - 共和党 55, 民主党 43, 独立系 2 
下院 - 共和党 230, 民主党 201, 独立系 1 
州知事 - 共和党 28, 民主党 22 

ご存知のようにブッシュ政権に代表される共和党が前回の選挙では圧勝しています。(といっても日本の自民党ほどではないです。如何に日本の衆院が異常な状態かはこれを見ても分かりますよね。)

今回の中間選挙では、当然ながらイラク戦争に対する失策から民主党が優勢な状態ですが、それでも圧勝といえるような状態ではなく、当初予想していたよりも共和党が健闘しているように思います。

上院の事前予想
http://www.pbs.org/newshour/vote2006/senate/index.html http://www.nytimes.com/ref/washington/2006ELECTIONGUIDE.html?currentDataSet=senANALYSIS

下院の事前予想
http://www.nytimes.com/ref/washington/2006ELECTIONGUIDE.html?currentDataSet=senANALYSIS


普通なら民主党が勝って当然なのですが、経済面で見ると共和党政権にも分があるといえます(強いアメリカ経済を支持)。ま、実際の結果はふたを開けてみるまでわかりませんけど。

それよりも最近ニュースで取り上げられた投票システムが選挙結果を左右しかねないだけに気になります。前回の大統領選でもうわさに上がった投票結果のインチキ(不正)ですが、どうやら本当に不正が行われても不思議じゃないようです。詳しくはコチラの記事を参照して下さい(ちなみにこの方の記事は大変興味深いことがいろいろと書かれていて面白いですよ。オススメです。)。


私の(無責任な)予想では共和党が過半数を維持するのではないかと思っていますが、それも上記のような裏技があるからに他なりません。いずれにせよ明日が楽しみですね(まじ無責任)♪

2006年11月5日

電子マネー

電子決済サービス「ペイジー」、利用1兆円突破へ (2006年11月5日/日本経済新聞 朝刊)

『公共料金、税金などをネットバンキングやATMで支払える電子決済サービス「ペイジー」の個人利用者が増えている。・・・今年度の利用件数は5年前の21倍の約2450万件に膨らむ見通し。ネットオークション、携帯電話料金などの支払いや、国庫金の電子納付も増えている。決済手段としては現金(年間約157兆円)、クレジットカード(同29兆円)に続く存在となっている。』

思ったよりも少ないというのが印象。ま、賢い人はポイントサービスなどのあるクレジットカード払いにしていると思われるので、当たり前といえば当たり前か。自分としてはクレジットカードがどの程度の伸びなのかの方が気になる。

日本は欧米に比べキャッシュ(現金)社会な割には、クレジット会社をはじめとして各種電子決済会社が林立している変わった国に自分には見える。きっとそれぞれの利益率は相当に低いんではなかろうか?それでもやっていけるんだから、うまくやれば金融システムというのは相当に儲かるんだろう。

アメリカに来て驚いたことの一つが、「ネット振込はまだ主流ではない」ことだったのだが、こちらアメリカでもこの1~2年で急速に電子決済が浸透してきているように感じる。例えば、公共料金の多くはネットから支払いが出来るようになった。ネットバンキングの銀行間振込みも徐々に広まりつつあるようで、一部の銀行では手数料無料で他行からのトランスファーも可能になっている。ただし、銀行間ネットワークに関しては、まだまだ日本の方が断然便利で使いやすい。しかし、動き出せば早いアメリカのことだから、いずれ日本よりも使いやすいものが出てくるのではないだろうか。この辺は事情がよくわからないのでなんともいえないけど。

またアメリカでは未だにチェック(小切手)が使われている。確かにチェックはキャッシュよりは安全だが、見ず知らずの相手との取引では徐々に敬遠される傾向にあるのは間違いない。銀行カードでデイビット決済が出来るようになった今、あと何十年かかるかはわからないが、いずれはなくなっていくものだと思われる。

キャッシュレスをすすめたい日本としては、カード社会のアメリカを手本としてきたが、ネットバンキングなどは日本の方が遥かに進んでいるので、これからはあまりクレジットカードにこだわらず独自のシステムが発達していくのかもしれない。

しかし、今日も水道料金をネットから払おうとしたら、手数料を$3も請求された。なんのためのネット決済なんだか。これならチェックを封筒で送った方がいいやって感じ。

そんなわけでクレジットカードをはじめとした電子マネーが今後「どのくらいの早さで、どういった方向に進んでいくのか?」は、個人マネーだけではなく、会社間決済なども含めて、興味の尽きない問題である。