2008年1月19日

税制について思う

また今年も確定申告の時期がやってきました。

今回からUS residentでの申請になるので、また新しく調べないといけないことが多くて面倒くさいです。

日米で確定申告をして最も違いを感じるのが控除項目の数とその細かさですね。

日本では源泉徴収と年末調整でほとんどのことがこと足りてしまうので、おそらくサラリーマン生活を送っている人たちのほとんどは税制に対して無知でもなんら不都合ではありませんけど、アメリカでは無知だと受けられる税控除も受けられませんから、必然的に税制について学ぶ機会も増えますし関心も高くなります。(よく言われますけど、日本は故意に民衆の税への関心を遠ざけるためにそういう政策をとっているみたいですね。)

特にアメリカでは投資に関連した控除項目がとても多いです。

アメリカに住んでいると投資をしたほうが税制上優遇されるようになってるんですよね。

いかに稼いだお金から税金を払わずに運用して利益を得るか?というのがベースに税制が作られているんだと思います。

そういった意味ではお金持ちに対して有利な税制ですけど、今はミドルクラスの人たちも401Kなどで必然的に株式や債券投資などを行っているわけですから、必ずしも金持ち優遇のための税制とも言い切れません。

かといって低所得者に対して厳しい税制か?というと、そうでもありません。収入のないものに対しては集めようがないというのもありますけど、やはり直接の収入に関しては上に行くほど重税になっています。

つまり労働所得に対しては日本と同様に下にはやさしく、上には厳しい単純な税制が取られてるのですが、いわゆる不労所得に関しては抜け道がたくさんあって、税制に精緻しているほど税金を納めなくていいようになっています。その分リスクをとる必要は出てくるのですが。まあ、言ってみればリスクをとるものが優遇されるようになっているといってもいいかもしれません。


話は変わって、アメリカの場合連邦税と州税がありますけど、名前のとおり連邦税は全国共通で、州税は州ごとにまったくといっていいほど違います。

私が思うに、これがアメリカという国の強さの一つなんだと思います。税制の変化によって、人の移動が起こせるからです。日本のように一極集中が起きない大きな理由だと思います。

そして今は金融は国を越えたグローバリゼーションが起きていますから、州どころか国を超えて一番有利な税制のところにお金も人もどんどん集まっていきます。

州の移動と違って、国を超えた人の移動は物理的に制限が簡単なので都合よくフィルターをかけやすく、お金についてはよいお金も悪いお金もないのでフィルターをかける必要はなく、単にたくさん集めればいいので、国にとって税制改革というは非常に強力でかつ生産性の高い作業なんですよね。

もう何年も前から表のブログに書いてますけど、今の日本の消費税問題とか年金問題といった税制問題はまったくのローカルな話で、誰もハッピーにならないと思うんですよね。

そんなことより日本のように資源がない国が取らなければならない政策(税制)って何なんでしょうね?税制って人のモチベーションを動かすことのできる国の大きな武器です。一時住宅減税で家を購入した人が増えたと思いますけど、そういうことです。

そういった視点で国民一人一人が考えると、案外日本が取るべき税制改革っていうのが見えてくるように思うんですけど、甘いかな?

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2008年1月6日

謹賀新年

明けましておめでとうございます。
今年も不定期更新になりますが、どうぞよろしくお願いします。

私事ですが、年末休暇は友人たちとフロリダに避寒していました。運良く寒気が訪れる前だったので、期待以上の夏のような気候を楽しむことができました。各種観光地も訪れましたが、米国内で景気後退がいわれてはいるものの、人出もそれなりにあったように思います。ただフロリダに行く度に感じるのは"For Sale"の看板が目立つこと。やはりサブプライムローン組込み債権問題による住宅市場の落ち込みは昨年初頭あたりから出ていたのだなぁ、振り返ってみて感じます。

年初のマーケットも荒れて始まりましたが、やはり世界経済の注目は今年も中国なのではないかと個人的には考えています。もう一つは中東ですが、こちらも色々と期待はされていますが一筋縄ではいかないのではないかと。いずれにせよ今年も世界の多極化の流れが加速することだけは間違いないと感じます。アイオワのコーカスも波乱の幕開けでしたし、今年は経済界・政界にとっては混沌の1年になるかもしれませんね。


我が家のアメリカ生活もいよいよ今年で丸3年が経過します。ビューフォートに移り住んでアメリカの田舎暮らしも悪くないなと思うようになりましたが、ときどき都会に出るとやはり都会生活を懐かしく感じます。

昨年も休暇にはできるだけ国内(といっても東海岸ですが)を見て回るようにしました。アメリカは日本に比べて国土が広くて移動も大変なはずなのに、逆に気軽に小旅行を楽しむことができるように思います。フリーのハイウェイと無数にあるモーテル群によって安価に旅行できるシステムが確立されているためだと思いますが、こうした人々の移動による経済効果は相当なものでしょう。

日本も地方を活性化するためには、まずは高速道路の無料化を行うべきです。日本の国土であれば2泊もすればあちこち楽しめること請け合いです。

あとは宿泊施設の問題です。日本の場合、泊まりの国内旅行をしようと思うと家族連れだと相当の出費になってしまいます。宿泊費が人数に比例した料金設定になってますから、大所帯だとクルマを使ってもさほど節約になりませんし。アメリカではホテルやモーテルは利用人数に限らず(厳密には制限はありますが)1部屋ごとにチャージされますから、ビジネスでもない限り1人旅行ほど割に合わないものはありません。日本でもラブホテルがアメリカのモーテルに近い料金体系になっていますが、イメージそのものが家族向きではありません。地方行政はラブホテルを普通のファミリーホテルにする体系づくりを行うべきです。既存の民宿なども宿泊費と食事代を別料金体系にして、食事代のみ人数に合わせて徴収するようにしたらいいと思うのですが。結局は家族というより大所帯の旅行の経済的重荷なども、少子化の遠因になっているのだと思います。

今後、観光資源を海外観光客に頼るのだとしても、これらの問題は早急に解決すべきでしょう。電車の移動をメインに考えるとしても、地方は拠点駅からの交通網を整理しなければなりません。交通網はこれまで内向き(地元民向け)の考え方でしたが、今後は外から地方への流れを考えた運営も大切なのではないでしょうか。なんてことをアメリカでドライブ旅行をしていると考えます。こうした観光面に限らず、地方が元気を取り戻すための施策が、今後日本を考える上でキーになるように思います。

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