2006年9月25日

Old Sheldon Church


ビューフォートにある数少ない観光名所の中でも、特に私がお勧めしたいのがここ"Old Sheldon Prince William's Parish Church"です。場所はダウンタウンから離れたYemassee(ヤマシー)近くに位置するのですが、万一ビューフォートまでいらしたら時間が許せば是非こちらまで足を延ばして見てください。写真で見るとただの教会の廃墟でしかないのですが、実際に目にする光景は神秘的です。なにせ森林の中を走っていると突如この建物が現れるのですから。


この教会はアメリカが独立する前の1745~1755年に建てられたそうです。その後、1799年にイギリス軍によって焼かれたのですが、1826年に再建されました。この周りは今でこそジャングルですが、実は南北戦争前はこの辺り一帯はプランテーション(大農園)で大変栄えていたそうです。そして南北戦争中(1865年)に北軍のShermanらによって再び焼かれてしまい、その後は再建されることもなく、廃墟と化し今に至っています。

たいていはアメリカが如何にして戦火を収めてきたのかがわかる観光地が多い中で、ここは短いといわれるアメリカ史の中で栄枯盛衰を感じさせる数少ない史跡だと思います。敷地内はきれいに整備されていますが、周囲には駐車場すらありません。標識も注意してみていれば見つけられるかな?というくらいで、私なんか何回も素通りしてました(なにせ100km/hくらいで流れてますからね)。

場所はmapのF地点辺りです。17号線からYemassee方面への道路に入り、一旦景色が開けたと思ったら、その数百メートルくらい先の右手に見えます。


17号線から横道に入るとこんな景色です。辺りは森林になっているので、日本の林道みたいな感じですかね?道路の左右には大木が並び、さながら木のアーチをくぐっているようです。大木にはスパニッシュモスが垂れ下がっているので、そこは日本とは違いますね。


グーグルマップのサテライト(ハイブリッド)で見ると周りは緑一色です。ちなみにこれ以上の拡大ではサテライト描画はされませんでした。

建物に嵌められた説明書き。この建物自体が250年前のものというわけではないようです。

この史跡の前の道は交通量はあまり多くありません。日中でも出来れば一人で見学するのは止めた方が無難です。また駐車スペースがほとんどありませんが、ゲートの前に寄せて停めれば問題ないと思います(実際に皆さんそうしてますし)。反対車線に停める場合は、横断には十分注意してください。周囲にトイレはありませんから、そのつもりでどうぞ。

2006年9月23日

11th Street Dockside Restaurant

Port Royal(ポートロイヤル)にある川辺のシーフードレストラン。お隣にはシーフードの魚屋さんも。新鮮さが売り!お勧めです。

【場所】map
1699 11th St. W.
Port Royal, SC
(843)524-7433

【時間】
4:00pm-10:00pm


海沿いといってすぐに思い浮かぶのがシーフード

アメリカでは日本のように魚を生(刺身)で食べる習慣がありませんから、新鮮なシーフードといっても残念ながら都市で食べることの出来るシーフード料理とあまり違いはありません(内陸中部はまた別でしょうけど)。

それでも海辺や川沿いのロケーションで食べるとおいしく感じるのもまた事実。せっかく海沿いに住んでいるのですから地元の海産物を楽しまなきゃ損というものです。

ちょうど職場に新しい獣医さんが就任されたので、週末に誘って一緒に食事に行くことにしました。お店は自宅から歩いてもいけるところにある地元で有名なシーフードレストラン。

同僚が予約は要らないというので予約をして行かなかったのですが、お店は予想通りすでに満席。1時間くらい待つ羽目に。それでも夕暮どきの海を眺めながらベンチに座って話をするというのも気持ちのいいものです。*後で知ったのですが、どうやらこのお店予約は受け付けていないみたいです

待ったかいもあって、席に着く頃にはおなかもペコペコ。中は結構広いのですが、店内は家族連れで一杯。みんな楽しそうに食事をしています。

壁や天井には昔のクラブトラップなんかがぶら下がっていて、ちょっとしたパイレーツ気分。またここは外のデッキで食事をすることも可能なようです。

実はこのお店こちらに来てはじめての(もう1ヶ月前のことですけど)外食でしたが、満足度の高いお店でした。ビールを飲みながらシーフード料理に舌鼓を打つ。仲間や家族と来るにはうってつけのお店だと思います。


船着場から撮影したお店の外観。奥まった場所にあるので、ドライブ途中に気がついて寄ってみるというシチュエーションはないと思います。地元人のみが知る人ぞ知るレストランです。(ちょっといいすぎですけど、普通はここは見つけられませんよ。)







これなんだかわかりますか?


















実はお店の船着き場(ドック)なんです。ここいらの人たちはボートやクルーザーを持っている人が多いので、船で海や川から来ることができるんですよ。粋ですなぁ。でもこの日は駐車場はいっぱいでも、さすがに船で来る人はいませんでした。


この日私が注文したのは"CAPTAIN'S PLATTER($18.95)"。ホタテがとっ~ても美味かったです♪ただしボリューム満点で半分はドギーバッグでお持ち帰りに。しかし、これだけのフライ尽くしを一人で食べるアメリカ人って。。。
こちらはYokoの注文した"SUNSET SHRIMP($14,95)"。
お味の方はシンプルで後半は飽きてきますが、「これでもか~っ!」というほどエビが入ってました。エビ好きのYokoも最後には「もう勘弁して~」っていってましたから相当なもんです(笑)


入口には中に入れず待っている人たちであふれていました。

お店のエビ捕り船だと思われます。なんか漁師の町って感じですよね。フォレストガンプを思い出します。

サムター要塞

サウスカロライナ州沿岸部の見どころといえば。。。最初に挙がるのが "Fort Sumter (サムター要塞)" でしょうか?

ここがなぜ有名なのかといえば、「南北戦争Civil War)勃発の場所だから」だそうです。

陸側(サリバン半島)にも "Fort Moultrie (モールトリィ要塞)" の跡地(といっても最初の建造物ではなく、当時を模して造り直されたもの)があって、歴史的にはこちらの方が古いようです。実際にNational Park Serviceで調べてみると、「アメリカの独立時に英国軍の攻撃からチャールストンを守った」とあります。そののちチャールストン沿岸は4つの要塞(Sumter、Moultrie、Johnson、 Castle Pinckney)で守りを固めていたようです。そして月日は流れ、1861年4月12日 南軍のSumter要塞への攻撃から南北戦争American Civil War)が始まったとされています。

歴史的な話は他に譲るとして、"実際に見どころとしてどうなのか?"というと、、、「チャールストンに来たなら見に行った方がいい」という程度のものだと思います。わざわざ遠方からこれを見に来る日本人は南北戦争やアメリカの歴史に興味のある方くらいなのではないでしょうか?

もちろんアメリカ人にとっては歴史的に重要な場所ですから、観光で訪れる方は大勢います。ただ建造物としてはほとんど見る価値はないですねぇ、正直。。。

独断と偏見で言わせてもらえば、この観光地の最大のポイントは「船に乗って沖に出られる」こと。チャールストンの新観光名所であるCooper River Bridge全体を外洋から見渡せますし、何よりも心地よい潮風とともにクルージングを楽しめます。途中、イルカに遭遇する確率も高いです(というのも私が訪れたときは往きも帰りもイルカが併走してました)。

往復&島内観光で2時間15分ほどのツアーになってますから、デッキに腰掛けてのんびりまったりと過ごされるのもよいのではないでしょうか。


チャールストン側の船乗り場。お隣は水族館で、辺りはたくさんの人で賑わってます。

駐車場は入口手前左手の立体駐車場でもいいと思いますが、近くに路駐する方がお得です(入口手前を右折した辺りに停められます)。ただし、コインパーキングは駐車時間に上限があるので注意してください。

ツアー開始時間はこちらでチェックしましょう。デッキに出て海を眺めるには早めに乗船したほうがいいかも。ちなみに乗船料は往復で$14(成人)、$8(小児)、$12.5(シニア)。自分のボートで行く場合は、入場料はかかりません。

海にはたくさんのヨットが。マリーンスポーツが盛んで、「一家に1艘というのがこちらの生活スタイル」といっても過言ではないかも。

嬉しいことにイルカもお出迎え。数頭で群れになって船に近づいてきました。フレームに収めるのは結構難しかったですけど、すぐ近くまで寄ってきます。

遠くに要塞島が見えてきました。30分くらいのツーリングです。



要塞の中には資料館があります(しょぼいけど)。要塞ではNPSの人が歴史を簡単に説明してくれます。島を1周ぐるりとすると大体帰りの時間です。











島の中心にはアメリカ合衆国の国旗が何種類かはためいています。歴史のお勉強にはいいかもしれません。この日は天気に恵まれて、気持ちのよいクルージングを楽しめました。

2006年9月12日

MELVIN'S

Melvin's Legendary Bar-B-Que  チャールストン郊外にある軽食&レストラン。

【場所】
チャールストン店 (843) 762-0511
ノースチャールストン店 (843) 881-0549

【時間】
Mon-Thur 10:45 am-9:30pm
Fri-Sat 10:45am-10pm
Closed Sunday


元はBBQソースの販売がメインのようですけど、TVでおなじみのEmerilさんが来店した際に、「ここのチーズバーガーは全米一だね!」といったことから、チーズバーガーのおいしいお店として一躍有名に。人気ブログのseptcandyさんの"☆☆結婚します!た。☆☆"で見てから、「こりゃ、引っ越したらぜひ食べに行かねば!」と思っていたお店です。


私たちはチャールストン店の方に行ったのですが、大通り沿いに面しているので、看板を見落とさなければ迷うことはないかと思います。モールの中のお店です。

最初は普通のレストランかと思って行ったんですけど、中に入るとカウンターで注文してその場で代金を払うシステムで、裏手はドライブスルーになっていて、レストランというよりはファーストフードと呼んだほうがいいかも。


看板にあるように日曜日は定休日なので要注意です
もちろんお目当ては"チーズバーガー"。どうやらセットメニューがあるようで(といっても単純に加算した料金のようですが)、バスケットとコンボ($6.09)を試しに注文してみることに。ちなみにコンボはサンドウィッチ(チーズバーガーなど)とフレンチフライポテト&特製オニオンリングのセットで、バスケットは同じくサンドウィッチにサイドメニュー(うちらはオニオンリングを注文)とドリンクのセットになってます。
チーズバーガーはもちろん単品でも注文可能です($3.85)。セットは全部食べきるのは大変かもしれません。でも独特のオニオンリング(というかドーナッツ)はぜひお試しください。ちなみにお味の方は期待通り◎でした。まあ所詮はハンバーガーですから、あんまり期待してもなんですけどね^^;
店内はいかにもアメリカンって感じになっています。ドリンクを入れるところはカウンター脇とお店の真ん中の両方にあったのですが、最初は真ん中にあるのに気づかず甘いジュースを飲むハメに。 ピクルスなども中央にありました。
お店オリジナルのTシャツなども販売しています。チップもかかりませんし、気軽に立ち寄れるお店だと思います。

2006年9月10日

サウスカロライナ州沿岸部 -人口動態

The State of South Carolina。別名を"Palmetto state"といいます。

Carolina。英語だと「キャロライナ」って聞こえます。California。これも英語だと「キャリフォーニア」って聞こえますが、いずれも日本語表記では「カロライナ」「カリフォルニア」が正しい名称のようです。



左上にあるのが州旗。このあたりをクルマで走っていると、この州旗をあしらったステッカーを貼っているクルマを多く目にします。薄群青色のベースに白色で、真ん中に椰子の木、左上に三日月が配置された、いかにも南国らしいデザインです。州政府のサイトには、最初は三日月だけだったものに、あとから椰子の木が足されたと書かれています(参照)。

サウスカロライナ州の広さは全米50州中40番目、人口は26位、人口密度は21位です(Wikipedia)。以前住んでいたペンシルバニア州(広さ33番目、人口6位、人口密度10位)に比べると規模がかなり小さく感じられます。特に全米でも大都市の一つとして知られるフィラデルフィアの郊外からサウスカロライナ州でもそれほど大きくはない町に移り住んだ自分にとっては、「えらい田舎に来たもんだ。」というのが最初の印象でした。

そんな田舎でありながら、アメリカ史を見ているとサウスカロライナ州の名前はあちこちで目にします。アメリカ合衆国建国時の13州のうちの1州でもありますし、南北戦争の南軍の中心的役割を果たした州でもあります。特にチャールストンはヨーロッパからの移民が初期に移り住んだ場所の一つであり、1800年代には奴隷貿易で栄え、当時はアメリカ南部最大の都市でした。


多くの日本人にとって、東海岸といえば、今はニューヨークを中心とした北部を思い浮かべますし、南の美しいビーチリゾートといえばフロリダを連想しますから、カロライナ自体なじみの薄い場所だとは思いますが、アメリカ人にとっては歴史的な意義をもつ場所でもあり、温暖な気候も手伝って、リゾートや別荘地、それにリタイア後の住まいとしては人気の高い地域の一つです。





上記の沿岸部の地域別人口動態表を見てもマートルビーチからヒルトンヘッドアイランドまで続くコーストラインは、チャールストンを中心にそれなりの経済圏を持っていることがわかります。


特に別荘の多い沿岸部の町は、夏になると地域一帯の人口が数倍にまで膨れ上がるようです。面白いですね。


ちなみにNorth CarolinaにもBeaufortという地名の場所がありますが、こちらは「ボーフォート」と読むそうです。私たちの住んでいるところは普通に「ビューフォート」と読みます。


日本から観光に訪れるチャンスは中々ないかもしれませんが、周辺の見どころなどをこれから少しずつアップしていきたいと思ってますので、どうぞお楽しみに。

2006年9月9日

物価 - ガソリン価格から

上の地図は全米におけるガソリン価格を地域ごとに色別に分けて表示したものです(ソースはこちら)。

こうやってみると明らかに西高東低の傾向が見て取れます。ある経度を境に見事に色が分かれていて面白ですね。また、各地域においては郊外に比べて、都市部の方がやや高い傾向にあるのが見てとれます。

私たちが北部から南部に引っ越してくる際に、周囲の人たちから聞いていたのは「南部は北部に比べて物価が安い」ということ。

アパートを探しにフィラデルフィアから初めてサウスカロライナを訪れたとき、価格の違いに一番驚いたのがこのガソリン価格でした。上の地図で見ても、サウスカロライナ州は全米でもガソリンが安い州のひとつであることがわかります。

ただ実際に暮らしてみると、安いものもあれば高いものもあって、生活費自体にはそれほど違いがないように思います。

住居費なども含めたトータルコストで見ると確かに安いのかもしれませんが、私たちがフィラデルフィアで利用していたアジアンマーケットでは食品はとても安く手に入りましたし、私たちの住んでいた地域の一般的なアメリカングロウサリーストアも、こちらの一般的なグロウサリーストアより全体的に食料品は安かったです。

結局、人口がそれほど多くない土地では、価格競争もあまり起きず、商品の最安値は都市部に比べると高いのかもしれません。

また沿岸の都市に越してきたことで海産物が安いことを期待していたのですが、こちらも価格面から見るとほとんど恩恵はないようです。市場などを利用すれば少しは安いのだと思いますけど、大手のチェーンストアでは置いてある魚の種類などもほとんど違いはありません。

あとアルコール類に関しても、専売店のあったフィラデルフィアの方が商品の種類も多く、また常に特売品があったためか、安く手に入れることが出来たと思います。

例外は外食費でこちらに関しては、サウスカロライナの方が若干安いかもしれません。驚くほどの違いはありませんけどね。

そんなわけで生活費が少しは安くなることを期待していたのですが、フィラデルフィアでも生活費を節約していた我が家にとっては、節約のしどころの少ない田舎暮らしはかえって高くついてるように思います。

一緒に移ってきた同僚も同じことを感じているようで、食品以外の生活用品についても、それほど安売りがないためか、結局高くついてしまうといっています。

ただし、注意していただきたいのは、私の住んでいる町は田舎の中でもリゾート色の強い地域ですので、その分が価格にはね返っているせいなのかもしれません。