2006年11月12日

臓器売買

あまり詳しいことは知らないのですが、日本ではちょうど宇和島の病院での病気腎移植が問題になっているようなので、腎移植に関連した記事をご紹介。


パキスタンでは、貧困を理由に自分の腎臓を売る人が後を絶たないとのこと。ご存知のように腎臓は左右二つありますが、片方が正常に機能さえしていれば生命に異常はありません。そのため、昔から割と安易にお金目的で片方の腎臓を売る人が多いわけです。

こうした臓器は何もパキスタンに限ったことではなく、世界中いたるところで行われているといわれてます。昔は日本でも行われていたくらいですから。

この記事では、タイトルの"Pakistan's 'Kidney Basaar' Thrives"からわかるように、その相場がパキスタンでは極端に安いことを指摘しています。年間約2000例の取引があるといわれていますが、腎臓一つあたり$2,500、ときにはその半分以下で取引されているようです。レシピエント(臓器移植者)側が支払う金額も$6,000~$12,000で、中国では$70,000であることからも安いことがわかります。

アメリカでは法律で臓器を売ることは禁止されていますが、ドナー(臓器提供者)不足から$40,000程度の謝礼を認めてもよいのではないかと国際腎臓学会では提言しています。

パキスタンでは少なくとも20以上の移植専門診療所があり、患者の10%は外国人だと言われています。外国人の多くは中東からで、1~2%がヨーロッパからだそうです。

政府はこうした臓器売買をなくすために、腎臓移植のための法整備を行おうとしているようです。

この記事では。借金のため自身の腎臓を売っただけでは借金を返せず、その息子も父のために腎臓を売った親子の話が例として取り挙げられています。たとえ腎臓が一つあれば生命に異常がないとはいえ、その予備能力は極端に失われます。腎臓提供後は定期的な検査を含めた健康管理も必要です。この親子は術前のようには働けない、走れないなどの症状を訴えていますが、それだけ腎機能が落ちていることに他なりません。

(ここまでが記事の要約)

現在、腎移植が必要な患者の多くは、糖尿病による腎機能障害が原因です。糖尿病はきちんと血糖をコントロールすれば、治療可能(治癒ではありません)な病気です(<注>血糖をきちんとコントロールしても各種臓器障害の予後は正常に比べると悪いともいわれています)が、アメリカを始め世界中で患者の数は増え続けてますし、今後も当面は腎移植が必要な人は増えこそすれ、いなくならないことでしょう。臓器移植、特に生体移植はいろいろな難しい問題を抱えてますが、貧困を理由とした臓器売買も一つの大きな問題です。

わかってはいるのですが、こういったことからもまだまだ世界は発展途上なことがよくわかりますね。

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