2007年1月21日

そのまんま東(東国原英夫)知事誕生に思う

海外にいると日本の空気を肌で感じることができないのですが、今日一番のサプライズがこれ。

投票率は64.85%だったことから、かなりの浮動票があったことになります。投票率が高くなったのは、とても喜ばしいことだと思いますが、その結果が「そのまんま東」知事の誕生に繋がったかと思うと個人的には複雑な心境です。

そのまんま会のサイトにあるマニフェストを読みましたが、特段注目できるような政策はなし。

念のため、他者2氏のサイトを見たところ愕然としました。

マニフェストについては、二人ともわずか1ページ程度の内容しかありません。

東国原氏を除いた2氏は元官僚です。結局、これが今の日本の現状を表しているのだと悟りました。

ともに進学高校(ラ・サール、開成高校)卒から東大卒のいわゆるエリート。かたや犯罪歴もあるお笑い芸人。にも関わらず後者が選挙戦を制したわけです。

最初、私がこの記事を書き始めたときは、「なんで宮崎の県民はそのまんま東氏なんかを選んだのだ?」と書くつもりでいたのですが、3氏のサイトを見ている内に、他の2氏が自滅したのではないかとの思いに至りました。

マニフェストの大筋には3者の相違はそれほどないように見えます。ということはあとは具体的な実現方法についていかに説得力を持っているかということになりますが、東国原氏を除いて、サイト上に具体的な説明はありません。持永氏も数字を挙げてはいますが、細かい説明はありません。東国原氏も細かいことを言えば突っ込みどころは多いのですが、それでも比較論として他者2氏よりはずっとましです。

いまどきインターネットのホームページを最大限利用できない候補がいくら政策を説いたところで、なんの説得力も持たないでしょう。 2氏がその点に気づいているのかどうかわかりませんが、少なくとも政策作成に関わってきた人たちが、こうして公の場で個人名でダイレクトに説明できる場に立ちながら、まったくそれをしていなかったことは明らかです。

2氏の経歴などを見ると、どちらも東国原氏よりは、宮崎の産業育成の実現には長けていると思います。実行力もあるでしょう。しかし、「県民一人一人の立場に立った県政ができるか?」といえば、「ノー」なのだと思います。

東国原氏は今回の選挙で対抗馬に本当の政治家が出てこなかったのを幸いだと思い、ぜひ地方政治のあり方について一石を投じて欲しいと思います。 ただ、これまでのタレント政治家を見ていると、道は険しいのではないかと予想します。くれぐれもスキャンダルで幕を閉じることのないようにして欲しいものです。

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