2007年6月28日

ダイエット関連商品から

ネットで思わず次の広告が目に留まりました。

「貼るだけでやせる」

もちろんアメリカの広告(タイトルをクリックするとその広告が開きます)。

そんなうまい話ないだろと思って、とりあえず調べてみました。

この商品の元は "Hoodia(フーディア)"といってアフリカに分布する植物みたい。


食欲を抑えるダイエット商品として、2002年くらいから出回り始めたらしいのですが、ググると日本でも商品として販売されてました。

本家Wikiを見てもらうとわかりますが、Hoodiaの成分のうち、"P57"といわれる成分にホルモン的な作用があるみたい。視床下部に働いて食欲を抑制するそうですが、その根拠となる論文では髄中(脳に直接注入)した効果を見ています。どう考えてもパッチを皮膚にはるだけで効果が出るとは考えにくいのですけど。

日本の「あるある」よりはマシとはいえ、これも同じ穴のムジナですね(これって使い方あってます?)。

去年、群馬大のグループから同じように視床下部に働いて食欲を抑制する"Nesfatin-1(ネスファチン1)"という物質が同定されました。

こちらも効果が認められたのは髄中(というか脳室内注入)です。ひょっとすると、いずれこれもダイエットサプリメントとして、喧伝されるかもしれません。要注意です。

薬もそうですけど、脳に効く成分の開発ってとっても難しいんです。

動物実験のようにずばり脳に直接投与できればいいんですけど、薬品や食品ってほとんどが経口で摂取されるので、有効成分が脳(中枢神経)に行き渡るには、大部分が消化されたのちに血液を介して到達することになります。

でも脳の血管は特別なため、たくさん摂ったからといって、必ずしもその成分が脳の神経そのものに行き渡るわけでないのです。だから、仮に脳室内投与で効果があったからといって、食べたり血管内に注射しても同じ効果は得られません。 ましてや皮膚吸収では。。。

以前にもブログに書いたことがあるんですけど、どうして健康食品(特にダイエット)の類はこうもインチキがまかり通るんでしょう?

花王のエコナ油やカテキン茶にしたって、根拠となる検証データをあたると、非常に危ういってことがすぐにわかるのですが、これらもすごい売り上げになってます。

まあ、占いとかもそうですけど、それに対して自分が価値を見出せるのであれば、別にそれを買うのは個人の自由ですし、そういうのがなければ社会もつまらなくなってしまうので、いいんですけど。

でもマスコミや識者は、最低でもあおる(斡旋する)などの行為をしてはいけないように思います。

サラ金やタバコのコマーシャルもそうですけど、倫理的に考えておかしいことがまかり通る世の中、やはり個人個人がしっかりと自分で判断することができるようにならないと、こういったインチキの類は永遠になくならないのでしょうな。

まあ、だまされるのも一種の幸せといえる場合もありますから、あんまり目くじら立てるのもなんですけどね。

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