エタノール燃料と穀物先物市場
グラフはシカゴの商品先物市場におけるコーン(トウモロコシ)の取引価格の直近の推移です。(出展はhttp://www.futuresource.com)
ご存知の通り、ブッシュ大統領は2007年一般教書演説にて、ガソリン消費量を削減するためにエタノール燃料への代替を促進すると発表しました。それを見越してのことか、昨年末から商品先物市場においてトウモロコシ価格はものすごい勢いで上昇しています。昨年9月と比較して、今年に入ってから約1.6倍にもなっています。
ネットで調べると、バイオ燃料に対する記事が夏ごろには出てきているので、実際にはこのことがきっかけになったというよりは、こちらの記事にあるように年金基金の商品市場への流入の影響の方が大きいのかもしれません。
いずれにせよ、トウモロコシ価格が上がって困っているのが、南米諸国の人々。先物市場がアメリカのみならず世界中のトウモロコシ価格に影響を与えているので、トウモロコシを主食にしている人々には切実な問題のようです。
昨年の原油先物市場のように結局は資金の潤沢な人々が利潤を得て、(言葉は悪いですが)底辺にいる人たちが割を食うことになるのではないでしょうか。
原油にしても、穀物にしても、先物は現物市場に対して非常に小さなマーケットです。その値動きによって振り回されるこの世の中、やはり何か間違っているように感じるですが、それも時代についていけないものの愚痴こぼしに過ぎないのでしょうかねぇ。
(追記07/03/05)
今朝NYT見ていたら、トウモロコシよりもサトウキビからエタノールを作る方がコストが安いとの記事が出ていました(ソースはコチラ)。ブラジルを核に中央アメリカの諸国に産業を作り出す目的もあるんですかねぇ。
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