2007年9月4日

アメリカの大学の授業料

New York Timesの記事によるとアメリカの大学の授業料に歪みが生じているみたいです。

アメリカでは日本以上に公立と私立の授業料の差が大きいのは周知の事実ですが、公立大学でも運営費の高騰から授業料だけでは経営が成り立たず、エクストラで各種の利用料金(fee)が発生している模様。

例えばオレゴン州立大学では授業料(tuition)$3,984とは別に各種サービス利用料として$1,542が徴収されるようになったことが挙げられていました。

公立大学の場合、授業料は州議会で決定されるわけですが、当然授業料を上げることに対しては反対も多く、そう簡単には授業料を改定することはできないため、大学側で別料金として必要経費を集金する必要があるようです。

これでは学費を上げないと言っていても本末転倒なわけで、生徒側の不満は募るばかりです。

こういった状況に対して、昨年カリフォルニア大学では在校生に対しては入学後に徴収されたサービス料の返還をしています。ただし、これはあくまでも例外であって、ほとんどの大学では入学後毎年のように生徒側の同意なくサービス料の上乗せが行われているようです。

日本の国立大学の場合、授業料は入学時のものが卒業するまで保証されていましたが、新規に入学する人たちの授業料は毎年更新され、年々高くなっていったのを覚えています。今では国立大学の授業料は私立大学と比べてそれほど魅力的ではなくなっているのではないでしょうか(除く一部の学部)。

アメリカの場合、公立大学は私立大学に比べて圧倒的に安いとはいえ、自らローンを組んで学費を払っている生徒には、こうしたエキストラの出費は大きく、今後もこうした事態が放置されると社会問題化しないとも限りません。

この記事の中でも触れられていましたが、ワシントンDCにあるジョージワシントン大学の授業料は$39,210、これに学生寮の代金を含めると年間$50,000を超えるそうです。この大学はお金持ちの子息が多いとはいえ、日本なら私立の医学部にでも通えそうな金額です。大学に通うのも楽ではありません。さらに高等教育(MBAやPhD)を目指すとなるともっとかかるわけですから。

それだけに大学の教育環境は日本に比べると圧倒的によいのも事実ですから、やはり日本の大学や大学院もそれなりにお金をかけないとアメリカのように魅力的な環境を作ることは難しいのでしょうね。



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