2007年7月4日

サバンナ観光の紹介記事

以前、ニューヨークタイムズ紙ウェブ版に掲載された『サウスカロライナ州チャールストンへの旅』の記事を紹介しましたが、今度は『ジョージア州サバンナへの旅』の紹介です。(タイトルをクリックすると元記事が開きます)



サバンナは24の公園が格子状に並んだアメリカ最初の計画整備都市です。現在このうち21の公園が法律によって保存されています。市内にはサバンナ芸術デザインカレッジが点在し、アートに力を入れた街づくりを行っています。では早速サバンナへ36時間の旅に旅立ちましょう。


金曜日
午後3:00  1)GOOD AND EVIL

まず最初はモンタレースクエア(Monterey Square)にあるマーサーウィリアムズの館(Mercer Williams House)のツアーから始めましょう。ここはシンガーソングライターのジョニー・マーサー(Johny Mercer)の曽祖父のために1860年代に建てられ、その後ベストセラー本にもなったあの“Midnight in the Garden of Good and Evil.” にアンティーク商として出てくるジム・ウィリアムズ(Jim Williams)によって改築されたお屋敷です。ツアーガイドさんはウィリアム氏にまつわる3つの殺人罪の裁判や後に無罪放免となったことについて多くを語ろうとはしないでしょう。またツアー客は2階に立ち入ることは許されません。というのも、そこではまだウィリアム氏の兄妹のドローシー・キンゲリー(Dorothy Kingery)さんが暮らしているのですから。でも心配は要りません。ガイドさんは中庭やベランダのほか、コンチネンタルロココ様式建築やベネチアガラス(Edwardian Murano glass)などについて解説してくれるでしょう。


午後7:00  2)SHRIMP WITH COFFEE

すこしばかしおめかししてレストラン"37番地エリザベス"(Elizabeth on 37th)へ。ここは20世紀初頭のアールデコ調のレストラン。装飾が少々鼻に付くかもしれませんが、料理は心配要りません。料理長のエリザベス・テリー(Elizabeth Terry)さんはもういませんが、それでもよりとりどりのシーフードメニューを称える批評やサバンナのダイニングシーンには欠かせない存在との評判は後を絶ちません。コーヒーから作られる伝統的なグレービーソースで味付けられたエビグリッツ(13.95ドル)、トマトコリアンダー(tomato-cilantro ice)でいただく生食を含め3種類の味覚を楽しめるブラフトン産のオイスター(14.95ドル)、アシアゴチーズと刻みポテトの腰のあるパイ生地で包まれた鯛料理(30.95ドル)などがお勧めです。すぐに花模様の壁紙や窮屈なバスルーム、そして周りにいる親族に囲まれた緊張気味のカップルのことも忘れてしまうでしょう。


午後9時  3)CREEPY COCKTAILS

サバンナの街はヤマクロー(Yamacraw)族の長であるトモチチ(Tomochichi)と1733年にサバンナを発見した英国移民率いるジェームス・オグルトープ将官の友情から始まりました。その後、海賊は言うに及ばず、戦争、黄熱病、ハリケーン、火事などがこの街を襲いました。穴を掘る建設業の人たちにはこの街がひとつの大きな墓場に見えたことでしょう。サバンナはそうした歴史を利用して、30ものゴーストツアーを行っています。その中の一つには葬儀馬車でホテルまで迎えに来てくれるツアーもあります(15ドル、Hearse Tours (912-695-1578; www.hearseghosttours.com))。サバンナの有名な殺人事件、自殺や臨死体験にまつわる話をたっぷり聞けるほか、個人的な超常現象などについても話してくれるかもしれません。そして道行く人々はツアーに参加した人たちの叫び声に驚くことでしょう。また途中カクテルを飲むために止まるかもしれません(散策しながらのジュレップ(カクテルの一種)は許可されています)。


土曜日
お昼  4)ART, BATS AND BREAD


信じがたいかもしれませんが、ヒストリックエリアよりももっとサバンナらしいのが、今日ギャラリーやスタジオが集まったスターランド(Starand)と呼ばれるエリアです。アーツスクールの学生たちによって運営されている"desot O row Gallery"(2427 De Soto Avenue, 912-220-0939; www.desotorow.com)に始まり、フレームショップの"Maldoror's"((2418 De Soto Avenue, 912-443-5355; www.maldorors.com)などがあります。ギャラリーでは現在Ryan V. Brennanによるペイントされた大きなラジオやミラーマネキンが展示されています。角にあるベーカリーの"Back in the Day"(2403 Bull Street, 912-495-9292; www.backinthedaybakery.com)で、ランチにサンドウィッチ(マドラスカレーチキンのチャバタ(6.95ドル)やカップケーキ(2~3.5ドル)をいただきましょう。


午後2:30  5) PICNIC WITH THE DEAD

ボナベンチャー墓地(Bonaventure Cemetery、330 Bonaventure Road)ほど立派でピクニックに適した墓地はありません。そこには、まるでハロウィーンのために飾られたかのようなスパニッシュモスの垂れ下がる樹齢250年の樫があります。コンラッド・エイキン(Conrad Aiken)やジョニー・マーサー(Johnny Mercer)らが眠るこの墓地は沿岸内水路を見渡す場所にあります。ここは喪主のほか、釣り人の集うところでもあります。


午後4:00  6) OLD STREETS, NEW MUSEUM

南部でもっとも古いミュージアムのテルフェア美術館(the Telfair Museum of Art)。美術館は長い争いのあとサバンナ歴史地区審査会と和解し、値切った末にモシェ・サフディ氏(Moshe Safdie)の手によるヨットのような外観をした光に満ちた建築物を勝ち取ったのでした。その後、街路によって2つに分断されていたヨセフ美術センター(the Jepson Center for the Arts)も2つのガラスのブリッジによってつなげられました。小説“Midnight in the Garden”の表紙の写真で有名になった"the Bird Girl"の像は、ボナベンチャー墓地から今は保護のために19世紀美術館(19th-century museum、121 Barnard Street)に移されました。また美術館では築200年近いオーウェン-トーマス屋敷(Owens-Thomas House、124 Abercorn Street)のツアーも取り扱っています。


午後5:30  7) SCHOOL FAIR

サバンナでのショッピングもブロートンストリート(Broughton Street)に新たにできたマークジェイコブス(Marc by Marc Jacobs store)を加え徐々に洗練されてきています。しかし、もっとも興味をひくお店は"SCAD"(340 Bull Street, 912-525-5180; www.shopscadonline.com)。こちらはサバンナ芸術デザインカレッジの学生、職員、それに卒業生によって作り上げられた商品を扱っています。


午後7:30  8) CRAB HEAVEN

ここではクラブケーキやソフトシェルの詰め物、カニ肉のグラタンのことは忘れましょう。カニはそのまま食べるのが一番。殻剥きの道具を使って、新聞に山盛りされたカニを缶ビールと一緒にいただきます。それに茹でジャガにトウモロコシを足して、"デポジト"(Desposito's、1 Macceo Drive, 912-897-9963)でどうぞ。1缶2ドルのバドワイザーとあわせても2人で約40ドル。これはご飯をいただくというよりは仕事です。しかし、極上の一口は何にも変え難い報酬です。


午後9:30   9) DRINKING IN THE SCENE

サバンナのいいバーは早く閉まるって?オーナーの気分次第?そんなこと言ってないで、飲みまくりツアーを始めましょう。まずは"the American Legion Post 135" (south of Forsyth Park,1108 Bull Street, 912-233-9277; www.americanlegionpost135.com)から。ここはキラキラしたミラースペースに老若男女入り混じった常連がひしめき、ブリティッシュバーテンダーがサバンナの英国びいきについて弁舌を振るってます。お次は"the Crystal Beer Parlor" (301 West Jones Street, 912-443-9200, www.crystalbeerparlor.net)。外観と違って、中は居酒屋というよりもアイスクリーム屋さんみたい。そして、"Planters Tavern" (23 Abercorn Street, 912-232-4286)へ。ここは"Old Pink House"という高級レストランの地下にある天井の低いバーです。 部屋の両側に暖炉があって生演奏が楽しめます。


日曜日
午前11:00  10) CHURCH'S CHICKEN

南部では教会と食べ物は切り離せません。マサダカフェ("the Masada Cafe"、2301 West Bay Street, 912-236-9499)は、"the United House of Prayer for All People"にバッフェイを提供しています。もともとは貧しい人へのものでしたが、安価で回転式のフライドチキンやマカロニチーズなどの南部料理は料理評論家や地元の人々にも支持されています。午前11時に行けば、そこには音楽とリズミカルな手拍子とともにかつて近くの防波島に住んでいた奴隷の子孫であるガラ人を感じることができるでしょう。

基本事項

アトランタからクルマで5時間。もしくはサバンナ/ヒルトンヘッドアイランド国際空港へ。空港から街まではシャトルバスがあります(20ドル)。ヒストリック地区は徒歩で移動できますが、他の場所へはタクシーやクルマが必要です。

ホテルは高めです(特にシーズン時期)。

the Thunderbird Inn (611 West Oglethorpe Avenue, 912-232-2661; www.thethunderbirdinn.com) $109~

BB(ベッド&ブレックファースト)も豊富です。$200~300 詳しくは下記まで。

The Association of Historic Inns of Savannah

贅沢したいひとにはこちらがお勧め。

the Mansion on Forsyth Park (700 Drayton Street, 912-238-5158; www.mansiononforsythpark.com) $229~

【注1】日本語読みの「サバンナ」ではなかなか通じません。"ン"を抜いて「サバナ」の"バ"にアクセントを置くと大体こちらで耳にするのと同じように聞こえます。


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